2006年4月から6ヵ月もの間、箱根ラリック美術館で、日本独自の金唐紙を背景にルネ・ラリックの作品が飾られたそうです。現在、この金唐紙は「旧岩崎邸」の壁面を飾っています。金唐紙はヨーロッパで生産されたギルトレザーをルーツとしているとのこと。17世紀半ばにオランダ東インド会社を通じてもたらされた革製の壁面装飾は、日本で和紙を素材とした金唐紙として製造されるようになり、その後、パリやウイーンでの万国博覧会などで高い評価を得て大量に輸出され、ヨーロッパ王朝貴族の城や宮殿にも広く使用されたそうです。ルネ・ラリックの作品の中にある文様は、明らかに、中国から伝来した日本の文様から影響を受けたであろう作品が多くある。壁面、香水瓶と、その所在は多様なれど、そこに佇む文様は、その場所で輝き、舞い踊り続けております。