結婚に対する考え方、形は、今の時代、多様である。紙一枚の単なる民法上の契約にすぎない。成田悠輔氏の夫婦形態も珍しくはない。そう。この結婚観や形は、昔とは大きく変化している。とはいうものの、この澁澤龍彦氏と澁澤龍子夫人(以下、敬称省略)との結婚は、女という観点から、わたしには、羨ましく感じるのである。なぜなら、わたしが考える『幸せな女性像』というものが、澁澤龍子と同じだからだ。その澁澤龍子が描く女性像、それが、澁澤龍彦が描くそれと一致する。そして、それをそのまま龍子が生涯かけて演じ、全うする。そして、澁澤龍子は、それを言い放つ。なんとも、女の強さを感じるのである。『愛』が深まれば、『強さ』が増すというプラスの美しい相関関係があるようだ。