モチベーションの源泉は「人間性に根ざした衝動」
あなたは何によって行動を起こしますか。バブル期、人は、私も含めて、経済合理性という言葉に支配されていた。しかしながら、今日、経済合理性だけに頼っていては解けない問題が生じている。あるいは、経済合理性だけでは実現できない幸せの存在を感じるようになった。
そろそろ、寒くなってきた。そんな季節の変わり目である。そのようなときは、ファンヒーターがあり、部屋を暖かにしてくれる。とても便利だ。スイッチひとつ。さらには、声をかければ、それだけでファンが作動する。にもかかわらず、昨今、リビングに暖炉を置くことが流行っている。レンガや石材にこだわる。さらには、薪にこだわる。なぜだろう。便利になったはずなのに。
暖炉には、炎のゆらめき。薪のにおい。そこには、人の臭覚、視覚、聴覚に訴えるものがある。このような人間の感覚に心地よさをもたらす。わたしは、この暖炉の石やレンガや薪といった自然と共存しているのではないか、そのような感覚的な共鳴が、自分の中の人間性を再発見してくれているよう感じるのかもしれない。寒いからファンヒーターを買わなくちゃいけないなぁ。対して、リビングルームにどうしても暖炉を置きたいわ。というこの二者の感覚には大きな違いがあります。
後者は、いわゆる『人間性に根ざした衝動』ということではないでしょうか。